「おや、こんなところに猫が・・・」
「猫じゃない・・・」
「かわいそうだから、僕がかって上げます。
ついてきてください」
聞いてないし。
「ほら、にゃあっていったらご飯あげますよ」
目の前にお膳を出しておいてそんなことを言う、
自称ご主人様。
「じゃ、いらない」
どうせ、膳の上のもので食べれるものなんてほんの少しだ。
「かわいくないですね」
ふふ・・・
なんでそこで笑うんだ。
なんか、この人もしかして黒い・・・?
「ていうか、肉と魚食べれない」
「は?」
「あたし、肉と魚駄目」
そういって初めて、膳の上の魚に目を向ける。
「菜食主義者ってやつなんだ」
「贅沢いいますね、さすが猫・・・」
「猫ちゃう!!!」
それからも、ずっと私は猫扱いされた。
布団に包まっていると、(最初は私の分さえなかった)
「猫は布団で丸くなる」
とか歌ったり(この時代になぜその歌を知っているのか聞いたらよかった)
柿を取ろうと木に登ると、
「木登りはやめなさい。爪で木が傷みます」
とか言われたり・・・
なんだかだんだん自分本当に猫なんじゃないかと思い始めたころ・・・
「さん!」
救いの女神・・・いや、神子が現れた。
「春日さん・・・」
「どうしてこっちの世界に!?」
「分からないけど・・・」
「ていうか、なんで弁慶さんの家に・・・」
「今、私ペットしてるの。ん?なんかそんな本あったよね」
「・・・・・・・・・・・・弁慶さん!!!」
その後、弁慶は人を猫として拾うとはなんだとか。
ペットとして扱うなんて最低だ、とか、怒られたみたいだ。
本人は
「行き倒れてたのを救っただけなんですけどね」
なんて、言い訳してた。
望美についていかない
望美についていく
まぁ、猫にしたいだけ?