4、初陣
「どうせなら、このまま福原を攻めたらいい」
偽の陣を見破った後、すぐにそんな話が出た。
源氏の裏をかこうとした平家のさらに裏をかこうというのだ。
この戦を早く終わらせるにはそのほうがいいというのが弁慶やヒノエがおしている。
しかし、景時はそれに反対している。
「源氏は今日を守ると言う大義のもとに京にいるんだから」
というのが景時の話だ。
しかし、この戦を終わらせると言うことが、大多数のひとの目的だったので、結局福原を攻めることに決まった。
ロウは福原の方から本物の本陣を通らず来れたらしく、その道を使っていくことになった。
最後まで景時は反対していたが、みんなの意見がひとつだということを受けてしぶしぶといった感じではあったが覚悟を決めてくれたらしい。
作戦は、そういう学もないにはわからないことだらけで、結局何も話さないまま決まっていった。
景時さんが生田を攻め、囮になりそちらに気を取られているうちに雪見御所というところを急襲するという作戦になった。
「景時、できるだけ早く雪見御所を落として駆けつけるからな」
「期待してるヨ。じゃ、急いで行くよ」
そういって、景時は一人囮となるべく兵を率いて行った。
「景時、気をつけて」
そう、が声をかけると心をきめたような顔で、
「ちゃんも、気をつけて」
そう言って、背を向けた。
白龍の神子たち一行はすぐに平家のお偉い方がいるという「雪見御所」へと向かった。
しかし、平家もここを手放しては後退するしかないということを知っているのでそう簡単には譲ってくれそうにもない。
「心静かになれ・・・」
は、怨霊たちの力を奪い、そこを白龍の神子である望美が封印していった。
他の八葉や、ロウも兵に混じり門へと向かって行った。
源氏は勢いを増し、一気におとすつもりだった。
だが、途中急に平家の兵たちに活気が戻った。
「還内府が返ったそうだぞ!」
そんな声がの耳にも入ってきた。
源氏の兵たちはその名だけでしり込みをはじめていた。
「なにをひるんでいる!還内府が帰ったというならここで決着をつけるだけだ!」
九郎のその一言に周りの兵たちにまた活気が戻ってくる。
そしてその勢いのまま、門を抜けていった。
中に入るとそれまでにない大きな怨霊が待ち構えていた。
「九郎、私たちの出番だ」
そう言っては望美とともにその怨霊に立ち向かっていく。
「かわいそうに。悲しみに縛られている」
は、その怨霊の気持ちさえ感じながら他の兵たちでは歯が立たない怨霊を倒そうと手を向けた。
そして、どんどんその気を奪っていく。
さらに、八葉たちの攻撃、望美の攻撃を受けて怨霊の力はみるみる落ちていった。
「、そんなに吸い取ったら!!」
ロウがを心配してそういったが、この怨霊を望美に封印してもらいたい一身ではやめなかった。
「望美、封印を」
限界まで吸った怨霊の気はの気分を悪くさせていたが、ここでは倒れられない。
望美の声はもう聞こえないくらいに調子は崩れていたが、怨霊が封印されるのはみた。
「ちゃん、大丈夫?」
あわててよってくる望美に心配させないように気を使いながら、まだ終わったわけじゃないと言い聞かせる。
周りの兵たちは、望美が怨霊を封印する姿を見て、「白龍の神子さまがいらっしゃれば勝てる!」と意気込みはじめた。
っ黒な男ものの着物を着たに気がついているものはいないが、望美のピンクの髪は暗い夜の中でも源氏の平家たちを活気付けた。
しかし、その後雪見御所は落とせたがもう平家の者たちは引いていってしまった後だった。
「怨霊は囮だったのか」
その後、調子が悪いに気がついた弁慶は望美とともに雪見御所にを残すことにして九朗とともに景時の援軍へと向かった。
結局この戦は源氏の勝ちとなり、平家の軍は大輪田泊から沖へと逃げていった。
普通に書いて見ました。
もっと細かく書いてたけど、いらないところはカット!
やっとこさ更新・・・汗
2006.05.07