「駄目だ!!」

九郎の反応はみんなの想像通りだったらしい。

「女だからって戦えないなんて決め付けないで!!!
何をしたら認めてもらえるんですか?」

それでも、春日さんはあきらめない。

そんなに帰りたいんだろうか。


「ついて来い」


2.



そういって、そのポニーを追いかけていくと神泉園についた。

私は、春日さんについていく白龍のちょこちょこがかわいくて、
そればかりをみていた。

「これができるようになったら認めてやる!」

そういって九郎に目をやると、

しゅっと剣が散っていく桜を切った。

「きれい・・・」

そう私がつぶやいたのは幸いみんなには聞こえなかったようだ。

ちゃん、ちゃんもするんだよ」

そういえばそうだ。

「借りる」

そう言って、九郎の剣を奪うと、練習してみる。

はらはらと散っていく桜の花びらに集中し、
しゅっと剣を振る。

「なっ!!」

「できた」

絶対たまたまだが、桜の花びらは二つに割れて、別々に散っていった。

「し、仕方ない!俺はできたら認めると言ったからな。
お前は認めよう。後は、望美だけだぞ」

そういい残して九郎は歩いていった。

「すごい!ちゃんできた!!」

「たまたまじゃないか?」

そう言って、桜の木の根元に座る。

「たまたまでできることじゃないですよ。
剣術を習っていらっしゃったんですか?」

弁慶にきかれて、剣道をしていたことを話す。

「なるほど。では、望美さん。
がんばってくださいね」

そこから、さっさと認められてしまった私というプレッシャーにも負けず、
春日さんは練習に励み始めた。

「白龍、きれいだね」

春日さんといっしょにいることが多いと、自然と有川と白龍とは親しくなってきた。

「うん。まるで神子みたい!」

「・・・・はづかしいやつだな」

恥ずかしげもなくそんなことを言う少年を見ていると、弁慶と目があった。