「真殿、ここは滑ります。お手を・・・」

「いい」

銀と散策に出かけるといつも気遣いの多さに驚く。

いくら神子の友人だからと言って、そこまでしてもらうと他の女の人おの目が怖いというのに銀は分かってくれない。

「お嫌ですか?」

しかし、悲しい顔でそういわれると、何か悪いことをしたような気になる。

「嫌じゃないが・・・」

「では、よろしいのでしょうか?」

「・・・・・」

いつも銀はこうだ。

こうやって、結局手を取ってしまう。

「これくらいで滑ったりしなっ・・・!?」

そう言っているそばから転びかける。
手を引いた銀が助けてくれるが。

「大丈夫でしたか?」

「大丈夫・・・」

転びかけた恥ずかしさと、手をつかまれたままの恥ずかしさに真はどうしたらいいのかわからなくなっている。

「お助けできてよかった。では行きましょう」

「・・・・オイ・・・・」

なんで手をつないだままなんだ。

「いかがなさいましたか?」

けろっとした顔でこちらを向かれても真は困るしかない。

「もう・・・どうしたらいいんだ・・・・」

そう悩みながらも結局また銀の悲しい目に負けて手をつないだままで散策を続けることになる。

「明日。怖い・・・」

すれ違う女性たちの目におびえながら真の散策は続く。