贈り物


「これ、姫君に・・・」

「望美に?」

「・・・・いや、・・・・」

「望美〜!ヒノエが呼んで・・・フガッ」

完全に勘違いして望美を呼び始めてしまったの口をふさいだのはヒノエの手。

「これは、にだよ」

「・・・・頼みたいことがあるんだったら、はっきり言え」

しばしの沈黙のあと絶対これは、何かの交換条件だ。と理解したらしい。

望美じゃなく、にくれるといっているのだから。

「そうじゃないよ。まったく、は手厳しいな」

「どっちにしても、そんなのつける機会がない」

「今つけてよ。きっとそのきれいな髪に似合うと思うぜ」

そういって、そのへだという髪飾りをほとんど無理やりつけられた。

「ほら、まるで天女様みたいになったぜ」

「どっちかというと、妖怪なんだけど
だいたい、こんなもので変わるわけ無いだろう」

そう言って、その髪飾りを着き返すとさっさと歩いて行こうとする。

「そういうものは、望美にあげろ」

そう捨て台詞を残して立ち去ろうとしたのだが・・・

「この間、望美と一緒に出かけたから期限が悪いのかい?」

そう言って、引き戻される。

「自意識過剰だ・・・」

そう言って、手を振りほどこうにもうまいことつかまってしまって動けない。

「そんなかわいくないところも・・・好きだぜ」

まだ、こいつはそんなことを言ってる・・・

「熊野って怖いところだな・・・」

弁慶といい。こいつといい・・・・



絶対熊野にはもう二度と来たくない・・・・






元拍手ですよ。