暑い日には


「お前ら、なんか似てるのナ」

そう言い出したのは、将臣。

でも、私にはこいつと似ているという自覚はない。
むしろ失礼だろう。

「どこが?」

でも、一応聞いてみる。

「こう、ごろごろしてる姿が・・・」

ふと横をみるとほとんど同じ体制で床に寝ている。

「知盛殿、起きろ」

一応、殿はつけるが、やっていることは手荒い。

「痛い・・・やめろ」

自分は起きるのは嫌だから、知盛を起こす作戦に出たが、無駄だったらしい。

「そんなに嫌ならお前が起きればいいだろう・・・」

「ほんとだ!似てる!」

ワラって、声も出ない望美をにらんでおいて、本格的に知盛を起こしに入る。

「起きろ、お前が起きろ」

そう言って引っ張るがまったく意味がない。

「まったく、七姫はうるさいな・・・
向こうの神子様みたいに宿くらいはおとなしくしていろ」

待て、そのおとなしいらしい神子様は戦うことにかけたら
私より全開強いんですけど。

「七姫っていうな!!」

腹いせに、わざわざたちってまで思い切り腹をけろうとしたら、
足をつかまれてしまってバランスを崩す。

「なぁにしてんだ。あぶねーなぁ」

何とか、有川(兄)に助けてもらったが、もう腹が立って仕方がない。

「近いな・・・」

そういう知盛の声が聞こえたと思うと、ぱっと引っ張られて、今度は知盛のほうへ倒れてしまう。

「こらっ!!」

そういって怒っても、まったく気にしていないようだ。


「仲よくてよかった」

そんな、わけの分からない望美の感想にいらついていたのは、多分私だけだと思う。