目が覚めて一番に行ったのは朔の部屋だった。
「朔・・・朔・・・・」
しばらくの間の後、返事がある。
「?どうしたの?」
「入っていいか?」
「え、えぇ・・・」
扉を開けると上半身だけ床から起こした朔が月明かりの中に見えた。
「どうしたの?こんな時間に」
「い、いや・・・その・・・」
まさか、怖い夢を見て誰かにとにかく会いたくなったなんていえない・・・
望美のところは白龍がいるから、ぜったい狭い。
「?」
「な、なんでもない。ごめん」
「怖い夢でも見たの?いらっしゃい」
景時には厳しい朔は、私には優しい。
それに、すぐに分かってくれる。
「・・・怖い夢は見てないけど・・・一緒に寝るのもいいかな、って思ったんだ」
「そう。それもいいわね」
そう言って、私の言い訳を聞き入れてくれる。
翌日、チュンチュンという小鳥の声で目が覚めたがそこには朔の姿は無い。
朔の朝は早い。
でも、ちゃんと私の服を枕元にたたんでおいてくれる。
「お姉ちゃんがいたらこんな感じかな・・・」
すぐに扉が開いた。
「あら、今日は早いのね。寝にくかったかしら」
「ううん。たまたま」
「そう。もう朝ごはんできてるから、起きてきなさい」
「うん」
なんだか、姉妹みたいだ。