ちいさい



「有川、頼む。かくまってくれ!」

そう言って、座っていた将臣の影に隠れるように身を小さくたたむ。

返事をする暇もなく、バタバタという望美の足音が聞こえた。
「先輩!」
というお目付け役つきで。

「あ、将臣くん。ちゃん見なかった?」

どうやら、は望美から逃げているらしい。

「いや、俺は見てないぜ」

「もう!どこ行ったんだろう!今日こそは一緒にいくんだから!」

そういえば前から望美がを買い物に誘う姿を見かけていた。
ただ、はそんなに乗り気じゃなかった。というより、行きたくないみたいだった。

「はは、それは無理じゃねーか?」

そう言っても望美はまた探しに立ち去って言った。

「助かった」
そう言ってやっと小さくしていた体を伸ばす。

その姿を見て一言。

「お前、小さいな」

自分の影に隠れてしまうとは・・・
ポツリともらすと、すっごく怒ったような顔になった。

「有川、むかつく・・・」

「わりーわりー」

といいながらも、ぜんぜん悪いと思ってないような・・・

「よくこんな体で望美をかばったりできるな」

「体の大きさなんて関係ない!」

そういわれても、このちいさな猫のような友人が望美を庇うのはあんまりだと思ってしまう。

「今度からは俺が守ってやるさ」

そういうと、なにか言ってやろうという顔に一瞬なったが、口から出てきたのは。

「ありがとう」

なんていう言葉だった。

「お前も、望美もな」

「特に望美だ」

そう言って、望美の追跡を逃れて次の場所へ移動し始める。


「そばにいるときは守ってやるさ・・・」

そういうと、こちらに悲しそうなは目を向けた。

「そう」


守ってやりたくても、俺には大切な役目がある。

どちらかを選ばなくてはいけないとき。
どちらを選ぶんだろう。

「まぁ、そうなったときに考えるか!」

そう、一人になった部屋でつぶやいた。





うん。ちいさい子好き!(ロリとかショタとかじゃなく!)

2006.03.27