「あ〜、ちゃんだめじゃないか〜」
私が洗濯物を干していると腹だし八葉はいつもこういう。
「それは、ちゃんの仕事じゃなくて・・・」
「御意〜」
て、まねをしながらそれでも、洗濯はやめてやらない。
「それは僕の仕事なんだけどな〜」
本当に困ってもないのに、困ったみたいにいつもそう言う。
お決まりのポーズとともに。
「もう終わる」
そう告げるとさすがに諦めたようだ。
そっと、縁側に腰を下ろしてしまった。
「だいたい、今帰ってきたばかりで洗濯なんてできないだろう」
「そんなことないよ〜、すーぐ終わらせちゃうよ〜」
「・・・・・」
いつもこの人はこうだ。
というか、この家の物干し竿、この人に合わせてるからか、ちょっと高いところにある。
背伸びをしながら少しずつ干していく。
「この家はちびにはやさしくないつくりだな・・・」
そうつぶやくと、どうやら、背伸びをしながら干していることに気がついていたらしい
景時は、「そうでもないんじゃない?」
なんて答えやがる。
「ほら」
「わっ!」
いきなり、いつの近づいたのか後ろから持ち上げられた。
「ほら、これで大丈夫だろ〜」
「大丈夫じゃない!!こんなのいちいちしてられないだろ!!」
問題はそこじゃないだろうが、とにかく言ってみる。
「とにかく、おろせ!!」
「終わったらおろしてあげるよ〜」
いつもなら、こんなとき、御意〜とかいっておろしてくれるのにっ
「ただいま帰ったよ〜」
パタパタパタ
持ち上げられるのが景時でじたばたしていると、白龍たちが帰ってきたみたいだ。
「あ、。景時、遊んでいるの?」
まず、走ってきた白龍がぽかんとした顔を見せた。
「あ、兄上!!」
その後、景時さんを黙らせるには絶大な効果を得られる朔が帰ってきた。
神子も一緒だが、庭の方を向かされているので、よく見えない。
「さ、朔っ・・・」
朔の出現で、どうやら景時さんも焦っているらしい。
「朔、洗濯が進まないよ!これじゃ!!」
よし、いまだとばかりに朔に助けを求める。
「兄上!!ちゃんをに何をしているんですか!!!!」
その後、しばらくは洗濯物をしなかったから、景時の策は(?)
功を奏したかもしれないが、とにかくしばらく口は利いてやらなかった。