目印
ちりん、ちりん。
鈴の音がの行くところを教えてくれている。
今日は、たまたま市に来たところでこの音に気がついた。
音源は、野菜の売り場の前で止まった。
「お嬢さん、これなんかどう?」
どうやら話掛けられたみたいだ。
しかも、少し話し込んでいる。
「さん」
意地の悪い僕は、話しかけてしまう。
「あぁ、弁慶」
は驚いた声をあげてふりむく。
今初めて存在に気がついたように近寄る、弁慶。
「一人で出てきては駄目だといったでしょう」
「あ、あぁ・・・」
目が大いに泳いでいますが、他の男と離していたを弁慶は許す気はない。
野菜を売っていた青年は少し驚いた顔をしたまま立っているが、他の客に話掛けられ相手をし始めた。
「何か、欲しいものはありましたか?」
「いや。何も」
「僕の、鈴をつけたまま他の男性と話すなんて・・・妬けますね」
「は?」
は反応に困っている顔になる。
「さて、帰りましょうか」
そう言って、手を引くと野菜売りの青年とが同じような顔になる。
「や、やめろ」
ただ、理由は違う。
は恥ずかしいからで、青年は・・・
「嫌、なんですか?」
そういわれていやだといえないを知っていて言う。
「・・・・・」
「帰りましょう」
嫉妬深くあってほしい。
ちょいと修正!
2006.03.31