「、何してる?」
「・・・・・・」
と呼ばれた少女は大いに焦った。
それもそのはず。
今絶対に会いたくなかった人と出会ってしまったのだから。
「えーとですねー」
「まさか、こんな夜に他のヤツの部屋に行こうなんてしてないよな?」
ご名答!さすがっす!!
「・・・・・」
無言の肯定がむなしい。
「じゃ、私は部屋に帰らせてもらいます!」
ビシっと敬礼をしてさっさとその場を去ろうとするがそう簡単に許してくれる人間にあってはいない。
「何言ってる。来い!委員長様じきじきに説教してやる!
大体、お前の部屋はそっちじゃねーだろうが」
「えぇ!?やだよ!!」
そう言って、当初入ろうと思っていた友人の部屋に向かって走り出す。
「このやろう!俺から逃げられると思うな!」
なんて追いかけられた日には、逃げるしかないでしょう!!
しかし、私の足は自慢じゃないがそんなに速くない。
すぐ追いつかれて首根っこつかまれる。
「大体あんただって・・・」
「あんたじゃねぇ」
すかさず訂正が入る。
「・・・・サイファーだって、なんでこんなとこ(女子寮)にいるのよ!」
「俺はお前の部屋に行こうとしてたんだ」
ぬけぬけと・・・・
「なんでやねん!」
無駄に突っ込むでぇ!!
「いいじゃねーか。どうせ話相手がほしかったんだろう!?」
「サイファー以外のがほしかった!!」
「殴るぞ」
ぐいぐいと引っ張られていってしまい、ついにの部屋の前まで来てしまう。
「大体女の子の部屋にこんな時間に来る自体おかしいじゃん!」
「じゃ、お前はどこの部屋に行こうとしてたんだよ?」
「・・・・・・」
まさか、『スコール・レオンハートくんの部屋です☆』なんて素直にいえない・・・
「あいつのところには行くな。・・・・・心配で寝れやしねぇ・・・」
「は!?だって、スコール何にも言わないけどずっと話聞いてくれるもん!」
たとえ、本人が聞いていようと聞いていなかろうといいらしい。
「いいから、入れ!それとこれからスコールのやろうの部屋は立ち入り禁止だ!
分かったな!」
分からないよ!!
なんていったら、多分また切れられるからやめておいた。
「なんでサイファーまで入ってくるのよ!」
「うるせーぞ。同室のヤツに迷惑じゃねーのか?」
「・・・・・」
それは確かに・・・
「・・・?」
案の定、同室の子が起きてしまった。
「な、なんでもないよ!ごめん、寝ぼけてたみたい!」
ここで、サイファーがいるのを見られるわけにはいかない・・・
へんな噂が絶対たつ!!!!
「そう・・・いいけど。おやすみ」
眠気がかったのか同室の子は部屋から出てこないまま寝てくれた。
「おやすみ〜!」
「ほら見ろ」
少し気を使ってくれているのか、小声で話しかけてくるが、部屋を出て行く気はないようだ。
「ほら、コーヒーくらい出せよ」
「何様?」
と小声で言い合ってはいるが、結局コーヒーぐらいは入れてあげた。
「これ飲んだら帰ってね!」
「あぁ?・・・・・まあ、そういうことにしてやるさ」
「なによそれ・・・」
「で?なんで眠れないんだ?」
結局サイファーは私のくだらないおしゃべりを最後まで聞いてくれた。
友達との仲だとか、成績のことだとか、ほんの些細なことだけど、聞いてくれた。
冷め切ったコーヒーのカップを置いて、夜中かえっていった。
「じゃあな」
「うん」
帰っていくその後姿を見ながら、ちょっといいやつかも知れない。なんて思ってしまった。
が!!!
「忘れ物した」
そう言って、もう一度部屋に入ってきてさっとキスを奪っていったので、前言撤回!!!!
「最悪!!!」
真っ赤になったままそう背中に叫んでやった!!